sweet time

場所:京王堀之内 time Tokyo(東京)
日時:2020/3/6(金)open19:00 start19:30
演者:天田優子 / Rhythmy(木箱 SAyA) / 笹生実久 / アマイワナ

このところの新型コロナウイルス騒ぎで、2月26日に政府から出された自粛要請があったため、音楽ライブのこのところ中止のアナウンスが飛び交う状況になっており、3月中旬くらいまでは開催可否が予断を許さない、そんな状況が今現在だ。

天田優子さんは1週間前くらいに体調不良で、その後静養していたみたいなので、少し心配ではあった。また自分自身も数日前に1日だけ微熱があったので、自分、彼女、ライブハウス、すべてにおいて大丈夫だろうかという不安を抱えながら、最終的には前日までに決めるしかないかなと考えて臨んだのが、今回のライブ。

前日に、天田優子さんのこのツイートが確認できたので、ライブハウスとしての中止はないということ、どうやら彼女自身も体調は問題ないらしいということ、僕自身の体調も万全だということで、予約をキャンセルすることもなく、行くことに決定した。

で、ライブハウスは東京都の西のはずれの方の京王堀之内駅から徒歩5分以内のところにあるtime Tokyoさん。前回は2019/5/18(土)と約10カ月ぶりだが、通算では3-4回目にあたるような気がする。つまり勝手は知っている箱だ。京王線沿いや僕のように南武線に近いところに住んでいれば、それほどアクセスは悪くないけど、都心からは心理的にも物理的にも少し遠い場所かもしれない。

今回は最初から最後まで長丁場になるのは避けて、お二人目から聞きに行く算段で予定して出発。ライブハウスは地下1階、階段を降り、重い扉を二つ開けたところが会場だ。丁度受付をした直後にお二人目の笹生実久さんのステージが始まった。

今回は着席形式で前方に席が10数席広い間隔で設置されており、すでに全員が着席している。後方には高いテーブルが二つ置いてあり、その一つの後方に陣取り、そこから観賞することにした。密閉空間だけど、みんなマスクしているし、人口密度は高くはないので、一安心といった空気感だろうか。

笹生実久さんは多分対バンで3回くらい拝見していると思うけど、ギター弾き語りで、安定した演奏と歌唱で安心して見ていられるアーティスト。比較的好みの音楽を奏でているんだけど、全体的に優等生な感じで、ガツンを頭をやられるような曲がないのが少し物足りない感じだろうか。

比較的早めの進行で三人目のSAyA(木箱)さんのステージへと続く。パソコンを中央に据え、彼女も歌うが環境音楽的なジャンル。久しぶりにこの手の音楽を耳にしたけど、実はブライアン・イーノとかは嫌いではなくて、音空間の間がたっぷりある不思議な音楽も好物ではある。

この「間」を上手に使うのは、強いて言えば、今好きなanzuさんの系統に入るような気もする。一方、天田優子さんのバンド系の曲はこの対極にあって、濃密で緻密に計算されスキのないリズムと楽器演奏で構成されていて、それもまた僕の音楽の好みの波長に合う。

さて、そしてトリで天田優子さんが登場。定刻よりわずかに早めくらいな感じでステージが始まる。紺のワンピースで、髪はまとめてという感じだったろうか。サポートなしで本人だけのソロ、着席してのギター弾き語り。

セットリストは以下のとおり。
1.クレーエ(joy)
2.奇跡の
3.end.(immortal noctiluca)
4.miss(新曲、2回目)
5.ブルーノイズ(immortal noctiluca)
en.アイオライト(joy)

2/8(土)下北沢CREAMのステージと非常に近いセットリストだった。新曲のmissは2月8日のライブでワンコーラスだけだったが、今回はフルコーラスで聞くことができた。まだまだ紹介できるほど馴染んでないけれど、ゆっくりと消化していきたい。

アンコールは拍手が消えそうだったので、必死に加勢して盛り返してなんとか成功。普段はクラップしないんだけど、最後のアイオライトでは隣の方が軽くクラップ始めたので、ここでも一気に加勢して盛り上げることにした。何か暗い雰囲気になりがちなところだけど、そういう意味でもよい締めくくりとなった気がした。

終演後、このご時世でもあるのでまずライブハウスの人にわずかな支援金をお渡しし、SAyAさんの物販でCDを3種類購入、その後、天田優子さんに支援物資もお渡しできた。昨今急に買い占め騒動で手に入らなくなった物で困っているということだったので。

まあ、「奇跡の」の曲じゃないけど、当たり前のように訪れ、流れていく毎日なんだけど、殆どの人にとって大過なく奇跡のように過ぎていくことができていることに感謝をする気持ちを思い起こさせてくれるよき日でありライブだったかな。ありがとう。

来るときは通勤客の帰りと鉢合わせで、南武線は一部濃厚接触的な感じだったが、帰路はガラガラの車内。行き来での感染リスクは少なかったと思う。

ちなみにMCの最後で、3/13(金)の大塚 Live bar ○でのライブが延期になるという報告があった。残念だけど、会場のキャパや密度や対策、演者側の事情、とか様々だと思うので、外野からどうこう言うものではないだろう。そしてやるとなったら、今度は我々観客の方が、体調が悪かったら絶対に行かない、とか、関係者の努力をぶち壊さないように心がけたいものだと思う。

そして、今こうして書いている最中に、さらに悲しいお知らせも舞い込んできた。3/11の板橋ファイト!での東木瞳さんとのツーマンライブも4/15に振替公演になるとのこと。ウイルスが憎い。

だから1回1回のライブをこうやって愛おしみ振り返り、記録しておくことに意味があると思っている。僕を含め、誰の記憶にも残っていかないだろうから。

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